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「成長する絵画」展ワークショップに参加して

こんにちは。さいたま市東大宮のこども図工室FUNFUN、講師のナガセです。ブログにアクセス頂きありがとうございます。

 

先週のことですが、アトリエ ル・マタンさんが主催されていた「成長する絵画」展のワークショップに参加させて頂いてきました。

今日のブログはWSに参加して感じたこと、得たことの覚え書きとして、書き留めておきたいと思います。

 

ワークショップは、普段アトリエ ル・マタンさんがやっている手法に沿ったもので、平面の支持体、アクリル絵の具、メディウム、筆やナイフやローラーなど、を使って自由に描くというもの。

 

支持体、つまり絵を描く下地は、キャンバス、または木のパネル、または段ボールのハニカムパネルから選択。なるべく普通の、「四角い画面」が、幅広く表現を受け入れてくれる。

それぞれの「質感」を感じながら。キャンバスの布の「弾力」、木を叩いたときの「音」、段ボールの「抵抗感」、表面の質感の違い。

私は木のパネルを叩いたときの軽く高い音と木肌の触感が気に入って、木のパネルを選びました。

 

絵の具は自由な二色を選び、「両手」を使って描いてみる。なるべく「右手」と「左手」で違う動きをしてみる、そうすることでどんどん意識的ではない動きが出てくる。

私はグリーン系の二色を選び、両手を使ってパネルに絵の具を塗りつけていきました。指先で叩くようにつけたり、爪でひっかいたり、、

 

お隣りの方と交互に、パネルを持ってもらって、そこに向かって描いてみたり。そうすると、パネルの抵抗感が変わり、感覚ががらっと変わります。持ってもらう「角度」によっても変わります。

 

さらに「メディウム」も投入。メディウムというのは絵の具に混ぜて質感を出すもので、今回私が使ったのは砂のようなメディウムと、光沢のでるグロスメディウム、それから卵の殻。

見た目には卵の殻が一番楽しそうな感じがしたのだけれど、実際には、砂のようなメディウムが一番気持ちがよかった。

 

しばらくは手だけで描いていましたが、最後、ローラーに他の方のパレットの絵の具をつけて描いてみると、少しだけ色が乗る感じが楽しく、最後はローラー遊びをして仕上げ。

 

こうしてひとしきり「視覚」よりは「触覚」「聴覚」を頼りに制作を楽しんだ後は、

お互いの作品を鑑賞し、感想を述べあいました。

・・・こちらが私の拙作です。


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その後の質疑応答の中で出たお話。

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作為とは何なのか?

表現とは??

・・私自身、今まで、デザイン畑で仕事をしていた時間が長いため、作為を持たずに制作することへの抵抗がどうしてもあり、しかし作為というのは評価を意識してしまうものなので、純粋な欲求から来る表現とは何なのか、単純な答えにはたどりつけない問いとして、ずっとあるものでした。

 

表現することの前に、まず感じることが大切ということ。

素材を前にして、触ってみたい、という欲求が始まり。

 

子どもの表現と向き合う時、『上手』というように評価するのではなく、感じたままを伝え、対話すること。

感じたことをあてはめる、言葉を探すこと、探ること。

作品を挟んで、コミュニケーションをすることがいちばん大切。

いい、悪いではなく。汚い、暗い、嫌悪感も否定せず伝えること。

 

本当はもっといろいろ考えさせられたこともあり、書ききれないのですが・・

 

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アトリエ ル・マタンさんは、普段、保育園での美術の時間(保育園の「表現者たち」)と、重度脳性マヒの方がたの制作のサポートをされています。

今回は、谷根千で開催されている芸工展にて、脳性マヒの方がたの「成長する絵画」展を出展されていて、その一環としてワークショップも行われていたのでした。

もう終わってしまいましたが、この「成長する絵画」展も、表現について、作為について、コミュニケーションについて、非常に感じさせられる作品展でした。

 

ワークショップに参加されていたのは普段、こどもの造形教育に関わられている方々がやはり多かったようで、私がグループでご一緒した方もそれぞれ、保育士さん、臨床美術士さん、大学の幼児教育の先生でした。

でも、私もそうですが、皆さんこの日は「自分が楽しむため」に参加されていらっしゃいました。普段子どもと接して、子どもに絵や工作を促して・・でも本当は、自分自身が、子どもに戻ってもう一度やってみたいという想いがあって、皆さんそういう仕事をされているのかもしれません。

 

普段、幸いなことにいろいろな相談をさせて頂ける方はいるものの、図工室の運営はひとりで行っているため、こうして様々な方のお話を聞ける機会は非常に貴重なものです。主催のアトリエ ル・マタンの皆様はじめ、ご一緒させて頂いた皆様、本当にありがとうございました。

 

 

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